通勤時に「社章」を付けるメリット・デメリットとは?
通勤時の社章着用については、会社のルールで厳密に決められていないケースも多いようです。敢えて通勤時は社章をつけない、裏返して留めるなど、周囲の目に触れないよう意識している人もいるでしょう。そこで今回は、社章の役割やメリット・デメリットについてご紹介します。特に仕事終わりで食事を済ませて帰る時などにも社章はつけておいた方が良いのか迷っている方は参考にしてみてください。
社章の役割とは
少し前まで、社章は有名な大企業を中心に使用されていました。しかし、最近は会社の規模を問わず社章を身に付ける傾向にあるようです。一方で、セキュリティのゲートを通過するような会社の場合、ICチップの埋め込まれたカードが支給されるようになり、そのカードが社員証の役割を果たすことから社章を廃止するところも増えたといいます。
社章とは、会社や企業などで使用されるシンボルマークのことを言います。多くは、そのシンボルマークなどをデザインした胸につけるバッジのことを指し、真鍮や銀、18金、24金、プラチナなどの素材からできています。金属の表面に凹凸をつけたり、七宝などを用いて色付けしたりします。
社章の起源について
社章の起源は明治時代初期、軍隊の徽章に用いられたことにあるようです。徽章とは、自分が所属している団体や組織を示したり、身分や職業を相手に知ってもらったりするために、衣服につけるしるしのことを言います。その後、学生の校章に発展した後、社章も身に付けられるようになったと言われています。
そもそも、社章を身に付けるスタイルは日本ならではの文化のようです。明治以前にも、それぞれの家には家紋があり、着物や兜などの武具に家紋を入れることは決して珍しいことではありませんでした。こう考えると、社章を身に付ける文化は日本人にとっては自然なことなのかもしれませんね。
社章を付ける位置
社章は「フラワーホール」に付ける
社章は、スーツのフラワーホールに付けるのが基本です。フラワーホールとは、左襟の胸元にあるボタン穴のこと。通常は穴が開いていてバッジなどを取り付けられるようになっていますが、スーツによっては穴が開いていなかったり、そもそもボタン穴すらないものもあります。特に、カジュアルなジャケットにはフラワーホールが付いていないものも多いです。フラワーホールに何か付けなければならないという決まりはないため、社章がない場合は他のバッジ等を付けなくても問題ありません。
フラワーホールの起源
フラワーホールは、社章を付けるために日本で開発されたものではありません。フラワーホールの起源は諸説ありますが、テーラードジャケットの原形となった軍服の名残がそのまま現代に受け継がれていることが関係しているといいます。そして、使わなくなったボタン穴に花を挿すファッションがヨーロッパで流行ったことなどが影響していると伝えられています。そのため、パーティーなどの華やかな場にはおしゃれなラベルピンやバッジ、お花のモチーフの飾りなどを挿す習慣は現代の日本にも残っていますね。
社章を付けるメリット
社章を付けることについては賛否両論あるかもしれません。まずはメリットについて見てみましょう。
メリット① 企業の一員であることの証明になり自覚が持てる
特に初めて会う取引先の相手やお客さんには、社章があることでその会社の一員であることを証明できます。時と場合によっては、名刺を渡していなくてもどこの会社の社員か周囲の人に認識してもらえて便利なこともあるでしょう。社章を身に付けることによって、自分自身がその会社の一員であるという自覚も芽生えます。社章を付けている間は、会社の信用を損ねないように行動しよう、社会人として恥ずかしくない振る舞いをしようなど、出先や通勤時にも背筋を正して行動できるようになるという効果も期待できるかもしれません。
メリット② 社員同士の団結力が高まる
社章は全社員に配られるケースと、一部の幹部に配られるケースがあるようですが、社員全員に配ると『同じ会社で共に働く仲間なんだ』という意識を持ちやすくなるのではないでしょうか。すると、仲間意識の高まりによって団結力も強まる効果が期待できるかもしれません。団結力は人を前向きにさせ、向上心にもつながります。仕事の多くは社員同士のコミュニケーションや協力により、より良い結果へとつながります。
メリット③ 身だしなみが整う
本来、フラワーホールは何もつけなくてもスーツのデザインの1つとして存在するものです。しかし、小さな社章1つでも、見た目の印象は大きく変わります。会社の顔とも言えるしるしを身に付けることとなるため、自分が会社の一員である自覚を芽生えさせるとともに、社章を身に付けている自分の姿に気を配るきっかけにもなるでしょう。会社のイメージが悪くならないように、身だしなみには気を付けるようになるのではないでしょうか。
社章を付けるデメリット
社章を身に付ける時は、気を付けておきたいポイントもいくつかあります。社章を身に付けているからこそ起こりやすい出来事もあるからです。
デメリット① 社章で会社がすぐにばれる
社章を身に付けることで、どこにいても振る舞いに気を付けるようになるのは良いことです。中には息苦しいと感じる人もいるかもしれませんし、通勤中は社章を外してしまう人もいるかもしれません。これはある意味、「もしかすると自分の行動が会社に迷惑をかけてしまうかもしれない」と想像できる人の行動です。
注意しなければならないのは、そういった想像ができない人の行動です。立ち寄った居酒屋でちょっとだけ会社の悪口を言う、身だしなみがひどく乱れていた、社会人としてのマナーが守れていなかった、などを周囲の人が見るとどう思うでしょうか。社章がなければ会社を特定されにくいため評判を落とす事態は避けやすくなりますが、社章を身に付けていると評判に影響しやすくなります。
デメリット② 拘束感を感じる可能性がある
社員の中には社章の意味や込められた思いがわからず、その必要性を感じていない可能性があります。周囲の目が必要以上に気になる性格の人は、「見られている」と意識しすぎて窮屈に感じることもあるかもしれません。社章は勤務時間のみ着用し、それ以外は外して通勤する人も多いようですが、社章に関するルールはさまざまです。現代は自由な働き方を好む人も多いといいます。会社の社章に関するルールが古くから変わっていないようなら、一度見直してみても良いかもしれません。
ここでは、社章とは何なのか、メリットやデメリットも含めてご紹介しました。インターネットで簡単に情報が拡散する時代ですから、社章を身に付けて働く人は会社の信用を損ねないようより注意が必要です。とはいえ、社章をつけるメリットはたくさんあります。これから起業しようと考える人などは、ぜひその会社の顔となる社章も作ってみてはいかがでしょうか。
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